慢性炎症とは?
2026/01/29
「炎症」という言葉はケガや風邪の時に聞くことが多いですよね。
しかし、現代の健康課題として注目されているのが
慢性炎症(chronic inflammation)です。
これは体の中で低レベルの炎症が長期間続く状態で、心血管疾患や糖尿病、肥満、認知症、がんなど、多くの生活習慣病と深く関わっています。
今回は
✔ 慢性炎症とは何か
✔ なぜ筋トレが慢性炎症に関係するのか
✔ 筋トレが炎症マーカーに与える影響
✔ 具体的な運動戦略
を、エビデンス(論文・専門レビュー)をもとに解説します。
① 慢性炎症とは何か?
炎症は、免疫システムが感染や障害に対応するための生体反応です。
通常は短期間で終わりますが、慢性炎症は長期にわたって低レベルの炎症が続く状態を指します。
これは見た目や症状としてわかりにくいですが、血液中の炎症マーカー(CRP、IL-6、TNF-αなど)が慢性的に高い状態が特徴です。
慢性炎症は
・心血管疾患
・2型糖尿病
・動脈硬化
・肥満
・一部のがん
などと関連があることが、多くの疫学研究・臨床研究で示されています。
② 筋肉と免疫・炎症の関係
筋肉は単に動くための装置ではありません。
近年の運動免疫学では、筋肉は内分泌器官としてサイトカインやミオカインと呼ばれる物質を分泌し、全身の炎症反応に影響を与えることがわかっています。
特に運動中に筋肉から分泌されるIL-6は、炎症性サイトカインであるTNF-αの分泌を抑えるなど、抗炎症効果をもたらすことが報告されてます。
これらの筋由来シグナルは、継続的な適度な活動・筋トレによって調整され、慢性炎症を抑える方向へ働きます。
これは単なる体重管理や脂肪減少とは独立した、筋肉の生理学的役割です。
③ 運動・筋トレが慢性炎症を予防するエビデンス
✔ 運動全般と慢性炎症
身体活動全般は慢性炎症の低減に関連するという大規模レビューがあります。
これらは有酸素運動や抵抗運動を含む身体活動を増やすことで、炎症マーカーが低下する傾向を示しており、生活習慣病リスクの低下にもつながると考えられています。
✔ 筋トレ(レジスタンストレーニング)の効果
複数の研究・解析でも、定期的な筋トレは炎症マーカー(特に CRP)を低下させることが報告されています。
たとえば、抵抗運動を週数回、6〜12 週間〜長期で継続すると CRP が減少するという報告があります。
中年・高齢者の解析でも、レジスタンストレーニングは
・CRP の低下
・ インスリン感受性の改善
・筋肉機能向上
といった全身への良い影響と関連していることが示されました。
これらのデータは、筋トレが単なる筋肉強化だけでなく、炎症を抑える慢性的な健康効果を持つことを支持しています。
④ なぜ筋トレは慢性炎症に効くのか?(作用機序)
■ 体脂肪減少による炎症低下
脂肪組織、特に内臓脂肪は炎症性サイトカイン(TNF-α や IL-6 など)を分泌しやすく、慢性炎症源の一つと考えられています。
筋トレにより筋肉量が増えると代謝が上がり、体脂肪が減少しやすくなります。これは慢性炎症の低減につながります。
■ ミオカインによる内分泌効果
筋肉が収縮するとIL-6 をはじめとするミオカインが分泌され、それが抗炎症作用を誘導すると考えられています。
これは運動直後だけでなく、長期的な組織レベルでの炎症調節に寄与する可能性があります。
■ 免疫細胞の調整
持久的な運動はマクロファージやT細胞など免疫細胞の状態を変化させ、組織レベルの慢性炎症を低減するメカニズムが示唆されています。
これは肥満誘導性の炎症や肝臓の炎症にも関連しています。
⑤ 日常生活での慢性炎症対策
慢性炎症は生活習慣によって変わります。
筋トレだけでなく、日常の身体活動・有酸素運動・食事・睡眠・ストレス管理の総合的な改善が慢性炎症を抑える鍵です。
■ 運動習慣
週 2〜3 回の筋トレ
週 150 分以上の中等度の有酸素運動
→ 生活習慣病・炎症マーカー改善が期待されるパターンが示されています。
■ 体脂肪管理
内臓脂肪の減少は炎症マーカーの低下につながるため、ダイエット戦略と合わせて実施することが有効です。
■ 休養・回復
過度なトレーニングは逆に炎症を増やす可能性があり、適切な休養・回復も重要です。
まとめ|慢性炎症と筋トレの関係
✔ 慢性炎症は低レベルだが長期に続く炎症状態で、生活習慣病と強く関連する。
✔ 運動、特に筋トレ(レジスタンストレーニング)は炎症マーカーの低下と関連する研究が多く報告されている。
✔ 筋肉由来ミオカインや体脂肪減少、免疫細胞調整が慢性炎症の改善に寄与する可能がある。
✔ 運動習慣・食事・回復を組み合わせた総合的な生活改善が慢性炎症予防の鍵。
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