何故筋肉は“臓器”と言われるのか?
2026/05/10
何故筋肉は“臓器”と言われるのか?|筋トレが全身へ与える本当の影響
監修・著者
パーソナルジム心斎橋 理学療法士 志戸岡 大起
https://personalgymshinsaibashi.jp/
前回記事:
こんにちは!
パーソナルジム心斎橋 理学療法士の志戸岡 大起です☺️
「筋肉はただ身体を動かすもの」
昔は、そんなイメージがかなり強かったと思います。
しかし最近では、筋肉は“最大の臓器”とも言われるようになっています。
実は現代医学では、筋肉は単なる運動器としてだけではなく、“全身へ影響を与える内分泌器官”としても注目されています。
つまり筋肉は、“身体を動かすだけの組織”ではないのです。
血糖・免疫・ホルモン・脳機能・血流・寿命。
実はこれら全てへ関わっています。
今回は理学療法士視点から、「なぜ筋肉は臓器と言われるのか?」について、エビデンスを交えながら解説していきます!
⭐️筋肉は人体最大の組織
まず知っておいてほしいのが、筋肉は人体のかなり大きな割合を占めているということです。
成人では、体重の約40%前後が骨格筋と言われています。
つまり筋肉は、身体の中でもかなり巨大な組織なのです。
しかも筋肉は、“常に活動している組織”です。
歩く。
立つ。
姿勢を維持する。
呼吸を支える。
日常生活のあらゆる場面で働いています。
さらに筋肉は、大量のエネルギーを消費します。
つまり筋肉量が多いほど、基礎代謝も高まりやすくなる。
しかし筋肉の役割は、それだけではありません。
最近では、“筋肉から情報伝達物質が分泌されている”ことが分かってきています。
昔は、「ホルモンを出すのは内臓だけ」と考えられていました。
しかし現在では、筋肉もさまざまな生理活性物質を分泌していることが分かっています。
つまり筋肉は、“身体へ命令を出す組織”でもあるのです。
⭐️マイオカインという“筋肉ホルモン”
ここで重要なのが、“マイオカイン”です。
マイオカインとは、筋肉から分泌される生理活性物質の総称です。
特に運動時に分泌されやすいことが知られています。
つまり筋トレや運動によって、“筋肉が全身へメッセージを送っている”のです。
例えばIL-6。
名前だけ見ると炎症性サイトカインのイメージが強いですが、運動時に筋肉から分泌されるIL-6は、代謝改善へ関与する可能性があると言われています。
さらにBDNF(脳由来神経栄養因子)とも関係が示唆されています。
これは脳機能や神経可塑性へ関与する重要な物質です。
つまり筋トレは、“脳へも刺激を送っている可能性”があるのです。
またマイオカインには、慢性炎症抑制作用が期待されるものもあります。
現代人は、
運動不足
睡眠不足
ストレス
高脂肪食
などによって、“慢性炎症状態”へ傾きやすいと言われています。
そしてこの慢性炎症は、
糖尿病
動脈硬化
肥満
認知機能低下
などとも関係しています。
つまり筋肉は、“炎症をコントロールする可能性がある組織”でもあるのです。
⭐️筋肉は“血糖管理臓器”でもある
筋肉が臓器と言われる理由の一つが、“糖代謝”です。
実は筋肉は、体内最大の糖消費組織です。
食事後、血糖値が上がると、インスリンが分泌されます。
すると筋肉は、血液中の糖を取り込もうとします。
つまり筋肉量が多いほど、“糖を処理しやすい身体”になりやすいのです。
逆に筋肉量が少ないと、血糖コントロールが悪化しやすくなるケースがあります。
ここで筋トレが重要になります。
筋トレを行うと、筋肉内のGLUT4という糖輸送体が増えやすくなります。
簡単に言えば、“糖を筋肉へ取り込みやすくなる”のです。
つまり筋トレは、“血糖値改善”にも関与する可能性があります。
最近では、“筋肉量低下=代謝疾患リスク上昇”という考え方もかなり広まっています。
つまり筋肉とは、“動くためのもの”だけではなく、“代謝を守る臓器”でもあるのです。
⭐️筋肉は“若さ”にも関係する
筋肉量が高い人ほど、“若々しく見える”ケースが多い。
これは単なる印象論だけではありません。
筋肉量が保たれている人は、
活動量
血流
姿勢
代謝
などが良好なケースが多いです。
すると肌質や雰囲気にも影響しやすくなります。
さらに筋トレによる成長ホルモン分泌や血流改善も関係している可能性があります。
特に血流は重要で、血液は酸素や栄養を全身へ運びます。
つまり循環が良いほど、身体機能維持へ繋がりやすくなります。
逆に筋肉量が低下すると、活動量も減りやすくなります。
すると血流も低下しやすく、結果として“老け込みやすい状態”へ近づくケースがあります。
最近では、“サルコペニア”という言葉もかなり知られるようになりました。
これは加齢による筋肉量低下です。
筋肉量低下は、
転倒
要介護
生活習慣病
などとも関係しています。
つまり筋肉を維持することは、“見た目”だけではなく、“健康寿命”とも深く関係しているのです。
⭐️筋トレは“脳”にも影響する
筋トレを続けている人の中には、
「頭がスッキリする」
「集中力が上がる」
「メンタルが安定する」
と感じる人も多いです。
これも筋肉と脳の繋がりが関係している可能性があります。
運動によって血流が増えると、脳への酸素供給も変化します。
さらにBDNFなどの物質が、脳機能へ良い影響を与える可能性も研究されています。
ここで重要なのが、“筋肉は脳と会話している”という考え方です。
昔は、脳が筋肉へ命令を出す一方通行だと思われていました。
しかし現在では、筋肉側から脳へも情報が送られている可能性が考えられています。
つまり筋トレとは、“脳を含めた全身トレーニング”でもあるのです。
特に現代人は、脳疲労がかなり強いです。
情報過多。
ストレス。
スマホ。
こうした生活によって、自律神経も乱れやすくなっています。
その中で筋トレは、“身体感覚を取り戻す時間”にもなり得ます。
⭐️“筋肉=臓器”と考えると筋トレの意味が変わる
ここまで読むと分かると思いますが、筋肉は単なる“見た目パーツ”ではありません。
実は全身へ関わっています。
だからこそ最近では、「筋肉は最大の臓器」と言われるのです。
特に現代では、座りすぎや運動不足によって、“筋肉を使わない生活”が増えています。
すると筋肉量低下だけでなく、身体機能全体が低下しやすくなる。
つまり筋トレとは、“筋肉を大きくするだけ”ではありません。
身体全体を活性化する行為でもあるのです。
そしてこの積み重ねが、将来の健康へ大きく影響していきます。
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