リハビリの期限と課題
2026/02/13
リハビリの期限と課題〜 医療保険上の算定日数制限と、終了後の運動継続の課題
監修・著者
https://personalgymshinsaibashi.jp/
前回記事:胸郭出口症候群に対する運動療法
「リハビリを続けたいのに期限があるって本当?」
「いつまで通院リハビリが受けられるの?」
こうした疑問は、実際にケガや病気のリハビリを受ける方からよく聞かれます。
実は日本の医療保険制度(診療報酬制度)には、疾患ごとに“標準的算定日数”という期限があり、
そこを過ぎると同じ内容のリハビリを保険適用で受けられなくなる仕組みなのです。
また、リハビリを終了した後に
✔ 運動をどう継続するか
✔ 退院後に身体機能を維持できるか
という点が、現代の医療・リハビリで最大の課題になっています。
この記事では、制度的な期限とその後の課題を解説します。
📌 医療保険で受けられるリハビリには「期限」がある
日本の公的医療保険では、疾患や傷病の種類に応じてリハビリを受けられる期間(=算定日数)が法律的に定められています。
これは診療報酬上のルールで、入院・外来を問わず適用されます。
主なものは次の通りです:
✔ 運動器リハビリテーション(骨・関節・筋)
→ 発症・手術・診断日から 150日
✔ 脳血管疾患等リハビリテーション(脳梗塞・脳出血等)
→ 発症・診断日から 180日
✔ 心大血管疾患リハビリテーション(心筋梗塞・心不全等)
→ 発症・診断日から 150日
これらは制度上の「集中介入期間」であり、同じ内容の医療保険適用リハビリを受けられる上限期間になります。
📉 期限内の介入が重要な理由
リハビリの目的は、
✔ 痛みの軽減
✔ 筋力・可動域の改善
✔ 日常生活動作(ADL)の回復
✔ 社会生活・自立性の向上
といった機能改善と自立へのステップを進めることです。
特に急性期・回復期では、神経可塑性や筋・運動機能の変化が起こりやすいため、算定日数内での集中的な介入が効果を高めるとされています。
例えば脳血管リハビリでは、初期に集中的な運動療法を行うことで
✔ 歩行能力の改善
✔ 手足の協調性向上
✔ 日常動作の自立化
といった成果が得られやすいという報告があります。
⏱️ 期限を過ぎると何が変わる?
標準的算定日数(150日・180日)を超えると、同じ医療保険内のリハビリを受ける権利が原則終了します。
これは
✔ 保険でリハビリが受けられなくなる
✔ 自費に切り替える必要がある
✔ 外来リハビリの回数制限が適用される
といった現実的な制約につながります。
介護保険が適用される場合や、医師の判断で例外的に延長が認められるケースもありますが、一般的なリハビリ利用者では
➡ 制度上の期限が“区切り”になることが多いのです。
📈 期限後に直面する「課題」
① 自立期・維持期の運動継続
期限内はセラピストの専門的介入で機能改善を進められますが、期限後は
✔ 自宅での自主トレ
✔ 継続的な運動習慣
✔ 日常生活での動作改善
をどう継続するかが最大の課題になります。
期限内にせっかく獲得した機能を維持・向上させるためには、運動や運動習慣を継続することが重要であると指摘されています。
② 継続運動のモチベーション維持
誰でも目標を持って運動を始めても、
✔ “やめてしまう”
✔ “元の生活に戻ってしまう”
という心理的な壁があります。
期限後は専門家の介入が減り、自主運動の継続モチベーションを維持することが課題になるのです。
③ 自宅・地域での運動資源不足
自宅では
✔ 適切な指導
✔ 追跡・評価
✔ 安全な環境
が担保されないことが多く、
✔ 運動の質
✔ 運動量
が不十分になりがちです。
これが長期的な機能低下につながるケースもあり、地域リハビリや運動プログラムの整備が必要とされています。
📌 運動継続のメリットと科学的背景
複数のエビデンスで、退院後・維持期における運動継続が、
✔ 再び機能低下が起きにくい
✔ 体力・バランス能力の維持
✔ 病気の再発予防の効果
があると示されています。
つまり、期限内のリハビリは“機能改善の土台づくり”であり、その後の運動は“機能維持・拡大のステップ”として重要だということです。
📌 まとめ:期限のあるリハビリ、そして課題
✔ 日本の医療保険制度には、疾患ごとのリハビリ期限(標準的算定日数)がある。
✔ 運動器・脳血管・心大血管リハビリはそれぞれ150日〜180日で区切られている。
✔ 期限後は同じ内容の保険リハビリが受けられなくなる。
✔ 期限後こそ、「自主運動・継続運動」が最大の課題である。
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