慢性痛と運動療法
2026/02/06
慢性痛と運動療法|リハビリ視点で理解する痛みのメカニズムと治療戦略
監修・著者
https://personalgymshinsaibashi.jp/
前回記事:ヘルニアの再発予防に筋トレが重要な理由
「慢性痛がずっと続く」
「どこに行っても痛みが良くならない」
「薬を飲んでもまたすぐ痛くなる」
慢性痛(慢性疼痛)は、単なる怪我の後遺症や加齢の問題だけではなく、神経系・心理反応・生活習慣が絡み合った複雑な状態です。
そして現代のリハビリでは、
運動療法+認知行動療法(CBT)+痛みの身体反応への理解がセットでアプローチされることが主流です。
この記事では、
✔ 慢性痛が起きる仕組み
✔ 運動療法がなぜ効くのか
✔ CBTの役割
✔ CRPS(複合性局所疼痛症候群)と運動
まで、科学的・臨床的根拠を踏まえて解説します。
慢性痛ってなに? まずは基本
痛みは本来、 警告信号(protective signal) です。
怪我や炎症が起きたときに「守りなさい」と体が伝えるためのシグナルです。
ところが、痛みの信号が長引くと、
・神経が敏感になる
・痛みを感じやすくなる
・痛みと関連する回避行動が強まる
という状態になります。
これが 慢性痛(chronic pain) です。
痛みが続くことで、脳や神経系が痛みを“学習”してしまい、痛みが疼痛記憶として残ってしまうことがあります。
運動療法って何をするの?
運動療法とは、単なる“動かすだけの運動”ではありません。
痛みを評価し、可動域・筋力・神経系の協調性・姿勢・機能動作を統合して改善するアプローチです。
慢性痛に対して運動療法が効果的である理由は、大きく3つあります。
① 神経系の再教育(neural retraining)
慢性痛では、神経が過敏になりやすい状態=神経過敏化(central sensitization)が起きます。
これは、
✔ 通常は痛みを感じない刺激でも痛みを感じる
✔ 痛みが長く続く
という状態を作り出します。
運動療法では、正常な運動パターンの再学習を促すことで、神経系に“痛みとは無関係な正常な入力”を与え、神経過敏化の鎮静化を促す作用があります。
複数の研究で、「慢性痛患者に対して運動療法が疼痛閾値を改善した」という傾向が示されています。
② 筋肉・関節の機能改善
慢性痛では、
✔ 筋力低下
✔ 筋不均衡
✔ コア(体幹)安定性の低下
✔ 姿勢不良
といった身体機能の変調がよく見られます。
これらは、痛みのトリガーとなるだけでなく、痛み行動が増えるほど体の負荷分散が悪くなるという悪循環につながります。
運動療法は、
・筋肉の強化
・体幹安定性の向上
・バランスと協調性の改善
・関節可動域の正常化
を通して、痛みを引き起こしにくい状態へ導く役割を持っています。
③ 心身相関の改善
慢性痛は単なる“痛み”ではなく、
✔ ストレス
✔ 不安
✔ 回避行動
✔ 活動制限
といった心理的要素が絡みます。
運動を続けることで
・自信がつく
・動作への恐怖心が減る
・身体感覚の改善が進む
という流れが生まれます。
これは、痛みの解釈そのものを変える心理的再学習 のプロセスにもつながります。
認知行動療法(CBT)とは?
認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy)は、
✔ 思考パターン
✔ 行動
✔ 感情反応
の関係性を評価し、痛みの捉え方そのものを変える心理療法です。
慢性痛では、
「動くと痛いかもしれない」
「痛みが増えるかもしれない」
という不安が、回避行動を強め、機能低下を助長します。
認知行動療法では、
こうした思考→行動→身体反応のループを評価し、運動療法と並行して心理的な修正を行うことで疼痛の悪循環を断ち切ります。
研究でも「慢性疼痛に対してCBTを組み合わせた運動療法は痛みの改善に寄与した」という傾向が示されています。
CRPS(複合性局所疼痛症候群)と運動療法
CRPSは、小さな怪我や手術侵襲後に、
痛みが激しく長引く状態で、
✔ 自律神経反応
✔ 痛みの過敏化
✔ 血流・発汗反応
✔ 感覚過敏
などの症候が見られます。
CRPSの治療では、
・graded motor imagery(段階的運動イメージ療法)
・水中療法
・機能的運動療法
・心理社会的支援
が行われます。
特に痛みの回避行動を減らしながら段階的な運動刺激を加えることが、慢性痛そのものの制御に寄与するという報告が複数あります。
運動療法が“効かない”ケースとは?
運動療法は万能ではありません。
✔ 痛みの発症機序の評価
✔ 精神状態
✔ 社会的因子
などが複雑に絡む場合、運動療法だけでは不十分なケースもあります。
ただし、認知行動療法や疼痛教育と組み合わせることで、痛みに対する恐怖・回避行動・不安・ストレス反応が改善しやすくなります。
よくある誤解:「痛みがあるから安静が必要」
これは一番多い誤解です。
急性痛では安静が必要な場合もありますが、慢性痛では安静が痛みの維持につながることが多いです。
運動を避ける行動が続くと、
✔ 筋力低下
✔ 関節拘縮
✔ 神経過敏化の進行
✔ 痛みに対する不安増加
といった悪循環を生みます。
運動療法は、痛みを抑えるだけではなく痛みの意味づけ・身体感覚の再学習・機能改善を同時に促すアプローチです。
まとめ|慢性痛と運動療法
✔ 慢性痛は神経系・心理系・身体機能が絡む複雑な状態
✔ 運動療法は神経過敏化の鎮静化に寄与
✔ CBTと組み合わせることで心理面の悪循環を断つ
✔ CRPSのような複合的疼痛にも段階的運動が有効
✔ 安静は逆効果になる場合が多い
慢性痛は放置せず、運動療法と心理的アプローチを統合して改善を目指すことが最も効果的です。
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